前代表社員長崎真人自分史
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第三部】第十三話 日本代表としてモスクワへ
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革命の号砲「オーロラ号」を眼前にし司令部スモールヌィ地区委員会を背に立つ
スモールヌィ地区委員会を背に
 当時の若者にとって、社会主義革命は理想だったし、その最初の革命を成功させたレーニンは、最高の指導者だった。
 
ソ同盟共産党史に出てくる、レニングラード(現サンクト・ペテルブルグ)、そのスモールヌィの党地区委員会、革命の合図となった駆逐艦オーロラの号砲等、その瞬間・その場面は、胸を轟かせ眼に焼きつくほど繰返し読んだものだった。
 私は、それを理想としただけでなく、毎日の革命的実践の規範とし、自分が生きるこの日本に、その理想を実現すべく全身全霊を挙げて戦ってきた。
 その地、スモールヌィに立った感慨は表現のしようがない。

 エルミタージュ宮殿の、眩いばかりの金銀宝石に飾られた廊下を歩きながら、案内してくれた女性が「かってツァー(ロシア皇帝)が歩いたこの廊下を、今、人民が歩いているのです」と語ったその言葉は、深く胸に沁みた。