【
第三部
】第十三話
日本代表としてモスクワへ
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最初は、コムソモール(全ソ共産主義青年同盟)主催の歓迎宴。翌日から、英、仏、イタリア、インドネシア、イラン、中国、朝鮮等々の交歓。
残念ながら通訳が間に合わないので、お互いに手振り身振り、それでも若者同志だから歌の交換やら筆談やらで充分気持ちは通じた。
一寸気が引けたのは、インドネシアとの交流会。日本語の歌を懐かしがって歌ってくれたのが、「歩け歩け」とか「見よ東海の空明けて」とか、戦時中の国民歌謡や軍歌ばかり。精一杯の親愛の情の表現なのだから、一緒に肩を組んで歌いはしたが、どうも調子が出なかった。日本軍の占領支配時に、そこまで植民地教育が浸透していたのかと思うと複雑だった。
レセプション中、私から離れなかった美女の中の美女
イタリア青年共産同盟員