前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第八話 諸々の社会的活動に参加(10)
 
 15年余を経た平成13年、税理士法改正で「税理士法人」制度が創設された。
 法人化の動きは、予測を超え進んでいるようである。これが、私が願った税理士相互の共同化の理念に合致するのかどうか、もう少し事態の推移を見なければならないだろう。それはそうとして、私自身は、幸い気心の知れた仲間を得て、つい先月、「税理士法人」を設立するに至った。

税理士法改正に取組んだ法対策委員時代
 東京会と支部に設置された法対策委員会は、税理士法をはじめ税理士をめぐる諸々の法制度について検討し提言する事を役割としている。私は、10年間その委員を務めた。
 
 税理士制度は、戦後創設された当初から2つの対立する意見のせめぎ合いの中で幾変遷を経てきた。税理士法制定の契機は、「シャープ勧告」による民主主義的租税制度の一環としてであった。だから当然ながら税理士の使命は、主権者である納税者の権益を守る事にあった。しかし、その後の経過は、この税理士の本来の使命を歪めるものであった。
 占領国であった米国の政策の変更もあった。大蔵官僚の一貫した圧力もあった。
 「中立」とか「公正」とかの名目で、納税者の立場から税務行政の一翼を担う立場に変質させられてきた。その梃子になったのが、OB税理士の大量送り込みと、役員選挙への露骨な干渉であった。