【
第二部
】第二話
引揚後の郷里での苦闘の日々(
1
・
2
・
3
・
4
・
5
・
6
・
7
・
8
・
9
・
10
)
これは母の90歳の誕生日に、病院のベッドの枕辺に、父が贈った一首です。
91歳で世を去る前の母は、誠に可愛い童女に戻って、父に甘えて過ごした。
脳溢血で失語症を患っていたのに「有難う」と「すみません」だけは忘れず、看護の人たちにも愛された。