前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第三話 税理士開業秘話()
 
 さて、どこへ行こうかと地図を開いた。余り遠くへ行くのは引越しに不便だ。県外で一番近いところ。小田急線と横浜線が交叉して、交通の要路でもありそうだと言う、唯それだけの理由で、町田を選んだ。
 昔、25年も前になるが、日本青年共産同盟の中央科学技術部にいた当時、西八王子在の同盟が管理する農場を見に来た帰りに、町田駅を降りてみた事があった。その時の印象としては、駅の北側にはバラックの闇市が並び、南側は米軍相手のネオン街があって、戦後の場末の繁華街の象徴のようだった。
町田に関する知識はそれだけ、顔見知りも全くない、見知らぬ土地だった。