前代表社員長崎真人自分史
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第四部】第三話 税理士開業秘話()
 
新人研修会で同県人の同志に会う

 東京地方税理士会から、新規登録者に対する研修兼歓迎会の案内があり、桜木町の本部に赴く。出席者は40人ほどで、席が年齢順に指定してあった。私より3〜4歳年上かと思う最高齢の人が隣で、私は2番目の席だった。
 予め準備してあったのであろう。会長の歓迎の辞に対し、その最高齢者が答礼の挨拶をした。それが、越後弁丸出しだった。

 帰路、その人にお茶に誘われた。彼は、郷里の高等小学校を出てすぐ、川崎に就職して30余年にもなると言う。
 


私が「あなた新潟出身ではないか」と言うと「どうして判るかね。自分では東京弁喋っているつもりだども」と言う。返す刀で「あんたも新潟だろう」と言う。これこそたまげた。私は台湾生まれで、新潟にはほんの僅かしかいない。だども親譲りの鼻にかかった発声は隠しようもねぇのかの

 彼も、実はレッドパージに合い、苦労を重ねてこられた経歴の持ち主で、私と同時に税理士会の呼び出しを受け、私が「おっかねぇ顔して出てきた」のを廊下で番を待っていて見ていたと言う。
 以後、いろいろ連絡しあい、助け合う仲間となった。