前代表社員長崎真人自分史
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第三部】第十一話 京浜工業地帯の真っ只中へ()
 
班機関紙「鉄の仲間」を発行早朝日本鋼管の門前で撒く
 川崎の拠点的な大企業の一つが「日本鋼管」。今は合併して「JFE」と称し、世界的な製鉄メーカーとして名を轟かせている。
 巨大な高炉が24時間操業で、昼も夜も真っ赤な噴煙を空高く噴き上げていたが、世に「金と命のコウカン会社」と呼ばれ、労働災害は日常茶飯事だった。

 私は、レッドパージ後、僅かな数になっていた鋼管の現職の同志に、職場の生々しい労働強化の状況を話してもらった。
 班の同志と相談して、その職場の状況とみんなの声を編集して班機関紙にして発行する事にし、名も「鉄の仲間」と決めた。ガリ版刷りのB4の両面、3000部を作成、早朝、工場の門前で撒いた。
 
 さすが重労働に耐える鋼管の労働者は逞しい体格が揃っていて、威勢の良い「オッス」「ご苦労さん」の声で、気持ちよく受取ってくれる。反応はビンビンだ。