前代表社員長崎真人自分史
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第三部】第十一話 京浜工業地帯の真っ只中へ()
 
第11話

 私が派遣された神奈川県は、東京東部・南部に連なる京浜工業地帯を擁し、併せて、横浜・横須賀・厚木・座間・相模原等、首都を巡る主要な米軍基地が、沖縄に次ぐ規模を占めて存在し、政治・経済・軍事にわたり極めて重要な役割を担う地域である。
 従って、革命運動の拠点としても、全国的な位置づけの上で、その果たすべき役割は極めて重いものがあった。
 
 青年共産同盟から移行した民主青年団は、朝鮮戦争の重圧の下で、全国的に衰退していた。これを立て直す拠点作りが私に与えられた使命であった。
 それにしても、事前に私に伝えられた情報はほとんど無に等しかった。現地とは全く連絡がなくて、どうなってるのか?組織の実情が皆目わからないと言うのだ。派遣される私としては、身一つ、体当たりで臨むほかなかった。