前代表社員長崎真人自分史
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第三部】第三話 激動の情勢下で()
 
 「革新統一戦線」の結成は、党の綱領的な基本路線です。そして、その前提として、共通の目標の確認と、同時に相互に立場の違いを尊重する姿勢がなければなりません。この時期、「社共合同」の名の下に、社会党や労農党の良心的な人々を個別に共産党に取込む工作がやられた事は、統一戦線の基本原則を無視した重大な誤りと言えましょう。

 もうひとつは、組織的な、共通の要求にもとずく統一行動の積み重ねもなく、幹部だけの交渉で組織の統一を図ろうとした事。この時の合同の動きには、大衆的な基盤が全くと言ってよいほどありませんでした。
 
 決定的だったのは、非民主的で官僚的独善的な党幹部の指導にあったと、私は考えます。党内での民主的で自由な議論を保証せず、幹部個人の権威で意見を押付ける官僚主義、更には、大衆組織の民主的な運営を尊重しない独善的な干渉、その典型がここにあったと思います。

 現在の党では、綱領路線の確立以後、数次にわたる綱領と規約の改定で、生まれ変わったような改善が見られている事ではありますが、過去の誤りの経験を、過ぎ去った昔の事とせず、貴重な教訓として将来にわたって活かしたいものと思います。