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この当時、私が読んだものにレーニンの「国家と革命」がありました。階級による階級の抑圧機構としての国家の本質、暴力装置としての警察・軍隊・監獄等、それらを打破し、自由と平和と全人類の解放を戦い取るべき労働者階級の歴史的責務、そしてその戦いを指導する前衛部隊としての共産党の役割が、明確な論理で語られていました。私は全身の血が熱く燃え滾るのを禁じえませんでした。
私はまだ、日本共産党の存在を殆ど知りませんでした。鴻巣には党員もいませんでしたので、時々新聞で見る以外には具体的なことは何も知る由もなかったのですけれども、革命党の党員こそ私の生きる道だと、独り密かに思い定めていました。 |
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私の目をはじめて開いてくれた「唯物弁証法読本」は昭和8年に初版が出ています。昭和8年は、小林多喜二が築地署で惨殺された年です。
発行禁止になるまで6版を重ね、戦後すぐ再版して数版の後、全面的に書き直して「新訂」とし1949年(昭和24年)10月に170円で発行されています。
私が、この度インターネットで全国の古本屋を探して見つけ出したのが別掲の写真の本・1949年の「新訂」版です。私が読んだのはその前年ですから旧版だったという事になります。残念ながら旧版は発見できませんでした。
55年を経た今、私の手にあるこの本は私の宝物です。 |
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