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戦前の日本、旧憲法の時代では、「大日本帝国憲法 第一条大日本帝国は万世一系の天皇これを統治す」「第三条天皇は神聖にして侵すべからず」が最高法規であって、絶対的な権威であり現人神である天皇を頂点にして、社会の全領域・末端に至るまで、この法理、倫理が貫徹する社会でありました。
そして、「家」制度が、この国家秩序を支える基底に、厳然と存在していました。その基本は、武家社会(農村経済を基盤)に成立していた家父長制でした。 |
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すべての国民は「家」の一員として、家父長(戸主)の支配下に置かれ、身分的にも財産上も、戸主の管理・監督に従うべきものとされていました。
結婚も分家も戸主の同意なしには出来ませんでしたし、時として居所も指定されました。戸主(父親)には、「家」の一員(子)に対する懲戒権(勘当ほか)も法定されていて、家における絶対の権力を保有していました。
「家」制度は、本来、親子・兄弟と言うような血族的な結合を基にして、封建社会の経済関係を構成する、生産と生活の基本単位として成立してきました。
だから、その根底には、家父長支配の秩序と同時に、血を分かつ肉親の情が支配していました。
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