消費税が10%に増税されてから50日余り、なんとはなしに「モノの価格が上がったな」と感じる今日この頃です。9月・10月と台風などの災害の被害もある中での消費税増税が日々の暮らしに与える影響が心配されます。
11月8日に内閣府より発表された景気動向指数での基調判断は「悪化」とされています。悪化の基準は「原則として3ヶ月以上連続して、3ヶ月後方移動平均が下降」として、消費動向の低下がここ数ヶ月連続している状況です。
5%から8%へと増税された2014年には増税直前(3月)の世帯支出は、前年同月比で7.2%の増加を見せていました。しかし、その後4月からは消費が冷え込み1年間平均で5%の消費支出が減少し、まだまだ回復を見せていない状況です。
今回の増税時には、前回までの駆け込み需要も見られず、国民の財布のひもはしっかりと閉まっているかのようです。ポイント還元やクリスマス商戦、年末年始の商戦で、まだまだ家計に与える実感が湧いてくるのは先のこととは思いますが、1月以降は、「消費の本格的冷え込み」が始まるのではと危惧をしているところです。さらに、オリンピック後の2020年秋の経済・家計の状況もどうなるのかと今から心配をしているところです。
8%への増税時の冷え込んだ消費は、長期にわたり現在でも回復はしていません。今回はさらなる景気の冷え込みが長期化するのではと思われます。現に、先進各国のGDPは過去20年で2倍近い伸びを示している中、日本は1.02倍とひときわ目立つ低調ぶりで、OECD36各国の中で最下位です。「世界経済の低迷」が原因ではなく、明らかに消費税増税が原因です。この先の景気動向も、中国経済の減速・米中貿易戦争などで先行き不透明な見通しにさらなる不安感が募っています。
なんといっても景気回復には国民の家計と企業全体の99%を占める中小企業が元気になることが求められます。「消費税は5%に戻して国内景気を喚起すべし」の声は多くの国民の共感を得ているのではないでしょうか。 |