平成30年度の税制改正法は、去る3月28日、参議院にて可決成立しました。
【主な改正事項】
①所得税法関連(平成32年分以降より適用)
*給与所得控除・公的年金控除の控除額を一律10万円引き下げ
控除額上限の改正 及び 新設
*所得金額調整控除制度の創設
給与収入の金額が850万円を超える場合でも本人が特別障害者に該当する場合等や、給与と年金の両方の収入がある場合、一定額を給与所得から控除する措置として所得金額調整控除を創設
*基礎控除 現行より控除額を10万引き上げ原則48万円に
ただし、合計所得金額
・2,400万円を超え2,450万円以下の場合は、32万円
・2,450万円を超え2,500万円以下の場合は、16万円
・2,500万円を超える場合は、基礎控除の適用はできない
*控除対象配偶者・扶養親族の合計所得金額要件引き上げ
改正前:38万円以下 ⇒ 改正後:48万円以下
*青色申告特別控除
改正前:65万円 ⇒ 改正後:55万円
ただし、電磁的記録等の備え付け・保存を行っている、あるいは確定申告書・決算書を電子情報処理組織(e-tax)を使用して行う場合は改正前の金額(65万円)
②法人税法関連
*所得拡大促進税制の拡充
適用要件1:給与等支給総額 前年度以上
適用要件2:継続雇用者給与等支給額 対前年度増加率1.5%以上
税額控除 平成30年4月1日から平成33年3月31日までの3年間に開始する事業年度
*中小企業の交際費課税の特例の延長
従前の内容については変更なし。適用期限(30.3.31)が平成32年3月31日まで延長
③相続税法関連
*事業承継税制(平成30年1月1日から平成39年12月31日に適用)
猶予対象株式の制限撤廃 納税の猶予割合の引き上げ 複数後継者への贈与・相続の拡大(最大3名)
*小規模宅地の特例の厳格化(平成30年4月1日以後の相続・贈与)
いわゆる「家なき子」の特例の要件の厳格化
貸付事業用宅地の特例要件の厳格化
*相続税申告書への添付書類
添付する戸籍謄本が戸籍謄本のコピーや法定相続情報一覧図での提出が可能に
④消費税法関連
*簡易課税制度(平成31年10月1日を含む課税期間から)
食用農産物を生産する農業とそれ以外に
改正前:農業第3種仕入控除70% ⇒ 改正後:食用農水産業第2種仕入控除80%
非食用農水産業は改正前と同様第3種70%
⑤印紙税関連
*不動産譲渡契約書 及び 建設工事請負契約書に係る印紙税の税率の適用期限の延長
改正前:平成26年4月1日から平成30年3月31日 ⇒ 改正後:平成26年4月1日から平成32年3月31日
⑥その他
*資本金1億円超の大企業は、平成32年4月1日以降開始する事業年度より法人税・消費税の申告を電子的に行わなければならないことに
*国際観光旅客税の創設
平成31年1月7日の出国より国際観光旅客等は、本邦からの出国1回につき1,000円の国際観光旅客税を納付