大渕教授の講演に続き、今日の「税務行政の特徴」と題して、元税務職員の報告です。
平成22年度の定員56,261名が平成26年度には、55,703名へと減少。一方法人税の申告件数では、平成22年に2,762千件が平成26年には2,794千件へと増加しており厳しい税務署の職場の実態がリアルに報告されました。
◆税務調査の実態
【法人税】 平成22年 125千件 ⇒ 平成23年 129千件 ⇒ 平成24年 93千件 ⇒ 平成25年 91千件 ⇒ 平成26年 95千件
【所得税】 平成22年 694千件 ⇒ 平成23年 774千件 ⇒ 平成24年 682千件 ⇒ 平成25年 899千件 ⇒ 平成26年 740千件
(所得税については、机上で行う簡易な接触も含む。平成23年度税制改正による調査減が反映している。しかし、26年より調査件数が増加傾向となっている)
同時に「国税庁が注視する富裕層の選定基準」が、日本経済新聞社の取材で明らかにされたとして報告されました。
◆主な選定基準
①配当所得 年間4,000万円以上の者
②株式所有 800万株以上の者など
消費税の調査においては、無申告者と還付申告者に重点的に事務量を投下。税務調査においては、国税通則法改正により年間調査件数の減少に歯止めをかけるために、あれこれと調査以外の事務を削減し、結果的にそれが職員の負担になってきていることが報告されました。 |