冒頭、全国理事会が開催され、今後の活動計画(研修や研究の強化と情報の交流・組織体制の強化と他団体との交流・会員の拡大と会員相互の交流など)を確認しました。
《税務会計研究学会理事など歴任されている山本守之税理士が初日に講演》
山本守之税理士は、役員が分掌変更により非常勤役員となったことによる退職金の分割支給に対して、「課税庁は支給遅延を理由に退職給与を認めない(法基通9-2-32の適用)とし、国税不服審判所もこれを容認した」事案について講義。
「法基通9-2-32の場合の支給時期について記述した法令、通達はない」 「支給時損金経理は、役員退職金を分割支給する場合の会計処理の一つの方法として確立した会計慣行」であるとした平成27年2月27日 東京地裁判決を強調されました。
続いて、税務調査において寄附金の課税が多発をしているが、その中には課税に納得はしないが、やむを得ず「更正処分」を受け入れている例があるとして、寄附金課税のあり方を考える講義がおこなわれました。
損金算入について、米国の税法では「通常かつ必要な経費」を損金の額に算入する要件としている。しかし日本では寄附金課税の創設が戦費調達のための立法であった事。現行法では、寄附金は反対給付がなく、個々の寄付金について事業に直接関連があるものであるか否か明確でなく、区分することは実務上極めて困難であるから、形式基準で事業に関連のあるものを擬制的に定め、これを超えた分を損金不算入とする。「資産の贈与、経済的利益の無償の供与としただけで、その支出の背景などは考えられていない」と現行税制の在り方を問うものです。
《税務行政の現状と税務の職場状況》
続いて、「職員を信頼できない」税務の職場の現状、国税通則法改正後の税務調査など、税務の職場の実態が報告されました。
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