事務所ニュースNo.263 2014.11.1 TOPへもどる 前号 次号

増加する税金の滞納⇒⇒問答無用・強引な差押

 国内消費の低迷・消費税の増税や実質賃金の目減りなどにより、消費者の財布の紐はますます固くなっています。商店や中小零細企業は売上も伸びずに青息吐息の状態です。
 営業が大変な中、納税もなかなか資金の都合がつかないのが現状です。やむを得ず税金を後回しにするとどうなるか?ほっておくと督促状が送付され何回かの催告の後、差押になります。

写真は、K都税事務所の玄関です
 黒い物体は自動車のタイヤですが、よく見るとなにやら赤いような物がタイヤから生えています。東京都主税局と読めます。つまりこれは、「税金を滞納するとタイヤをロックします」との無言の脅しだったのです。強引な差押で納税を迫る脅しを正面玄関にかざる、K都税事務所の感覚を疑います。(写真は今年の8月撮影)
 消費税増税でますます納税資金は不足することが考えられます。事業計画をしっかり立て、納税の猶予や換価の猶予(27年4月1日以降発生の税金について該当)の申請、滞納処分の停止の申し立てなどで難局を乗り越えたいものです。

増加する消費税の滞納額
 国税庁発表資料によると、消費税が導入された翌年の消費税の滞納額は548億円、3%から5%に増税された(平成9年)翌年の滞納額は7,382億円(地方消費税含む)に急増、平成25年末では4,425億円となっています。さて、8%になって来年の確定申告はいかなることに、さらに10%とされた場合、その翌年の滞納額はどうなることやら。「不可能な納税の強要や、強引な差押」での自殺や餓死などの悪夢が再び起きないようにしたいものです。
 2013年度末のすべての滞納額は11,414億円、消費税はそのうち31.2%にあたる3,564億円(地方消費税が除かれている)。2013年度の滞納発生額では、51.3%が消費税です。
 地方消費税を除く統計としていますが、消費税と別に滞納額が発生しているのではなく申告書を改めてみても、消費税+地方消費税=納税額です。地方消費税(消費税の25%)を加算すると滞納金額が多くなりすぎるのでしょうか?(3,564億円×25%=891億円)

納税者権利憲章

 民主党政権時代、納税者権利憲章を制定する 「国税通則法改正案」 が出されましたが、自民党や財務省の反対(?)で納税者権利憲章制定の部分は改正案から除かれ、今後の検討課題とされてしまいました。一方、米国では1988年に納税者権利憲章が制定されています。その後何回か改定されてきましたが2014年6月、 『10の納税者の権利』 『5つの納税者の義務』 として全面的に改定されました。

『10の納税者の権利』
①知らされる権利
②品質の高いサービスを受ける権利
③正確な税額を超えた納付を求められない権利
④IRSの見解に異議を唱え意見の聴取を受ける権利
⑤独立の公開の場でIRSの決定に対して行政上の不服を申し立てる権利
⑥終結させる権利
⑦プライバシー尊重の権利
⑧守秘義務の権利
⑨代理人を依頼する権利
⑩公平かつ公正な税制に対する権利

『5つの納税者の義務』
①誠実であるべき義務
②正確な情報を提供する義務
③記録を保存する義務
④適時に納付する義務
⑤礼儀正しくあるべき義務

今日(10月21日)も突然、顧問先に「無予告現況調査」を行おうと税務職員が4人もきましたが(当然、調査日を改めるようお引取りを願いました)。
納税者の都合を一切考慮しない・調査理由を開示しないなどという税務調査のあり方を根本的にただしていかなければならないと思います。

11月の税務・労務

【国 税】

*所得税予定納税額の減額承認申請

11月17日まで

*所得税予定納税額 第2期分の納付

12月1日まで

*中間申告が年3回の個人事業者の消費税の中間申告と納付

12月1日まで

【地方税】

*個人事業税 第2期分の納付



ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所へお問い合わせ下さい。

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