3月15日、長く続いた確定申告が一段落。桜の花をめでる季節ですが、税務の仕事はまだまだ続きます。 確定申告によりまずは、市(県・都)民税の通知が5月に送付され、6月から納付が始まります。事業税は8月と11月が納期限。さらに、所得税の予定納税が6月に通知され、7月と11月の2回が納期限となります。申告後にも様々な税金を今後納付していかなければなりませんので、それぞれの納付を期限内にするように計画をしていかなければなりません。 確定申告で「還付金」が振り込まれることもあります。その場合は、今後発生する税金の納税資金として備えておく必要がありますので、くれぐれもお祝いで使い切ってしまうことのないようにしましょう。
普通徴収の場合は、6月、8月、10月、2020年1月の4回の納期限となります。おおよその納税額は、申告書(B)の㉖欄の金額《申告書(A)では、㉑欄の金額》の10%+α(所得から差し引かれる金額が所得税と住民税是相違するため)と均等割が約5,000円 この計算した金額を4で割った金額を、それぞれの納期に応じて納めることになります。 特別徴収の場合は、6月に支払われるものより「天引」されることになります。
個人事業をしている方や不動産賃貸を事業的規模で行っている方は、個人事業が課税されます。 おおよその納税額は、申告書(B)の ①、②、③ の各欄の合計金額に青色申告特別控除(10万あるいは、65万)を加算して、そこから290万円を差し引いた金額に、5%(あるいは4%、3%)を掛けた金額が事業税の額になります。この金額の2分の1を、8月と11月にそれぞれ納付することになります。 (5%は、小売り業、不動産賃貸業,運送業、請負業、印刷業、飲食業など。4%は、畜産業や水産業などが該当。3%は、医業関係業、弁護士業、司法書士業、税理士業、美容業、クリーニング業など)
平成30年分の所得税の金額に応じて、7月と11月に(平成)31年分の所得税をあらかじめ前納する予定納税があります。 おおよその金額は、確定申告の合計所得金額から、「分離課税所得」「雑所得」「総合譲渡所得」「一時所得」などの所得を差し引いて、税額を再計算します。その結果、申告書(B)の㊺欄の金額《申告書(A)の場合は、㊴欄の金額》が15万円以上となった場合に、その金額の3分の1の金額を7月と11月に前納する制度です。 前納ですので、翌年の申告時にはその金額を差し引いた金額が納める金額となります。
確定申告が終了をすると、税務署においては一部の職員は内部事務に従事することになりますが、6月の税務の年度末に向けて税務調査も最後の追い込みになります。 税務調査の多くは事前の連絡があります。その後に、下記の事前通知項目が通知されます。事前の連絡時には、調査日程などについてはよく考え、まずは第一報を当事務所までご連絡ください。
*調査をすることの連絡 ⇒ 調査の事前項目の通知(日程等変更可)⇒ 実地調査
*税務署よりはがき(①添付書類の請求はがき、②申告書の見直しはがき、③税務署への来所を求めるはがき)の場合の対応
①のはがき ⇒ 法律的に提出義務のある書類(源泉徴収票など)の場合は提出 ②のはがき ⇒ 申告のどこに誤りがあるのか検討をした上で、必要であれば修正申告 ③のはがき ⇒ 申告内容の再検討の上で税理士などに相談
なお、事前の連絡もなく(無予告)実地の税務調査に来場する場合があります。業務の日程等も考えて適切な対応をする必要があります。「顧問税理士もいるので調査に立ち会うことが無予告の場合は難しいので、後日改めて連絡の上再度臨場するよう」に要請をしましょう。
【調査の事前通知項目】
税務調査の連絡は、調査日の日程調整の連絡の上、調査日を合意したところで下記の事項が通知されます。
①実地調査を行うことの通知
②調査対象者の住所・氏名(名称)
③調査する調査官の、㋑氏名、㋺所属税務署・係、㋩臨場人数
④調査開始日時
⑤調査を行う場所
⑥調査対象税目(所得税・消費税・源泉税などの各税目)
⑦各税目別の調査の目的
⑧各税目別の調査対象期間(おおむね3年)
⑨調査の対象となる帳簿や書類
⑩調査日時・場所を変更する手続き
⑪誤りがあると認められた場合は、通知した事項以外についても調査できることの説明
以上の11項目になります。税務署職員より連絡があった場合は、あわてずに所属税務署と係、氏名などを聞き「日程は税理士と協議します」と伝え、当事務所まで連絡してください。