事務所ニュース 237
2011.8.1
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無申告者への罰則強化、消費税課税基準期間の改定など平成23年度税制改正案の一部が6月末に成立

平成23年度国家予算の裏付けともなる税制改正法案は、3・11東日本大震災、原発災害以降民主党のごたごたや野党の党利党略もあり国会審議がほとんどされず未成立のままでしたが、6月中旬民主・自民・公明の3党合意により「改正案」の一部を切り離し「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」として成立、6月30日施行されました。

成立した「改正案」の主なものはつぎのようなものです。
■無申告脱税犯の罰則新設 故意に確定申告せず税を免れたもの5年以下の懲役または500万円以下の罰金
■年金申告者の手続き緩和 公的年金収入が400万円以下で年金以外の所得が20万円以下の人は確定申告不要(医療費控除などある場合はこれまで通り確定申告が必要)
■申告義務のある者の還付申告 申告義務のある者は還付申告であっても2月16日からでしたが、1月1日から申告できる
■消費税免税事業者の要件強化 基準期間(2年前の課税売上)の課税売上1千万円超という基準を、前年の前半6ヶ月間の売り上げが1千万円を超えた場合等は課税事業者にする
■消費税95%ルールの改正 課税売上5億円以上の課税事業者は課税売上が95%以上であっても課税仕入にかかる消費税の全額控除はできない
■法定資料の提出強化―金地金の取引について「支払調書」の提出義務化

などなど他にも注意しなければならない「改正点」があります。

また、23年度税制改正案のうち、先送りされているものには以下のような「改正案」があります。
*国税通則法の改正(納税者権利憲章の制定)
*法人税の5%引き下げ
*給与所得控除の上限設定
*成年扶養控除(23歳〜69歳)の縮減
*退職所得控除の見直し
*相続税の基礎控除引き下げ
8月末までの延長国会で大震災2次補正予算と合わせて成立させることも議論されているようです。




美しい自然と心豊かな人々 フィンランドを訪ねて

 森と湖、教育と福祉に恵まれた国、オーロラと白夜の国、一度は行って見たいと思っていたフィンランドに、突然訪問の機会がやってきました。

 お茶の仲間で、フィンランド協会の幹事をしている人の世話で、6月16日出発22日帰国で、1週間の慌しい旅程でしたが、ほぼ見所を一周して来ました。

 首都ヘルシンキ、バルト海に浮かぶスオメンリンナ島での茶会、湖水に浮かぶ古城サボンリンナ、標高300メートルでフィンランド一と言うコリの岩山からの景観、歴史と文化の町クフモ。いずれも見ごたえのある充実した旅で、加えて、教育と福祉が世界一と言われる実態を垣間見ようと言うのですから、訪問記も、とても一度では書ききれません。

 ほんの一部だけの紹介に留めざるを得ませんので、先に参加者13名の一致した感想を述べれば「予想をはるかに超えた素晴らしい国だった」と言う事です。

 クフモと言うのは、ロシア(旧ソ連)との国境に近い湖水地方の小都市(人口1万余)ですが、ここのコンサートホールの見事さは驚くばかりでした。赤松でしょうか香りの良い木材を内壁に使って音響効果抜群と評価され、毎年世界的な室内楽の音楽祭が開かれていると言う。このホールの創立がフィンランド人の音楽家と日本人妻の努力によるものと聞きました。

 ここの中学校も訪問し、校長・副校長(女性)の詳しい説明を聞きました。一クラス15名から20名の少人数で、生徒一人一人に行き届いた教育ができているとの事。夏休みが始まったところでしたが、宿題は何もないとの事。何よりも目を奪われたのは、校舎全体が極めて清潔で綺麗に整備されている事。聞けば、お掃除は生徒にはさせず、専門の業者の仕事にしているとの事。小学校から大学まですべて無償で親の負担はゼロ。先生は、大学院卒が資格になっていて、最高の尊敬を得る職業。教育内容に政治的な介入はなく、ひたすら教師の判断で教育に集中できるとの事でした。

 この町の人々の誇りは、第二次世界大戦で、軍事力では何十倍ものソ連軍の侵入を受けながら、軍民一体のゲリラ戦でこれを撃退し、守り抜いたという事。

 世界最初の普通選挙(女性の政治参加)の伝統で、国政選挙の投票率が90%を超え国民の声が正しく政治に反映していると言う事でした。

 もうひとつ期待以上だったのは、食事が日本人の味覚にあっていて、とても美味しかった事。フィンランド人が、一様に親切で、控えめで大人しく、礼儀正しい点でも日本人の共感を得ると言う事。

 空路10時間ほど、ヨーロッパで一番近い国。もっと深く知りたい国です。


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