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一月末、五泊六日で、久しぶりに台湾へ行ってきました。
私は台湾で生まれ、戦後十八才で引揚げるまで台湾で過ごしましたので台湾は私の故郷です。
長崎事務所設立十周年を記念して、顧問先の皆様三十名程で台湾一周の旅をしたこともありました。
今回は、私以外の兄弟は引揚げ以来行ったことがないので私が兄と妹を誘い3人での訪問でした。
台湾の表玄関・桃園国際空港は、戦争末期特攻隊の基地があり、私は学校ぐるみ徴兵され、赤土の台地に対戦車壕を構築する重労働に従事したところですが、それが見事な植栽と近代的な施設の空港に生まれ変わっていました。
台北市まで車を走らせて、立体的に巡らされた何本もの高速道路と林立するビル群には、目を奪われました。
台湾の目覚しい発展振りを象徴する、二つの交通機関を今回体験しました。ひとつは、台北から東海岸の花蓮に至る鉄道です。私の知るこの道は、三千メートル級の台湾山脈が太平洋側にせり出して、断崖絶壁を形成していて、バス一台がようやく通る狭い危険な道路があっただけでした。その断崖に何本ものトンネルを掘って鉄道を開通させた技術力には驚嘆しました。台北から花蓮まで急行で2時間余の列車の旅でした。
もうひとつは、台北・高雄間の新幹線です。正確な運行ぶり、全く揺れを感じさせない快適な座席、ホームも駅舎も清潔で明るく、日本の新幹線を追い越しているかもと感じました。
今回の旅行の第一の目的は、生まれ育った台北市内の、思い出の場所を尋ねる事にありました。驚喜したのは、私が、小学校から中学校にかけて、ほぼ十年間住んだ家が崩れかけた廃屋ながら残っていた事です。私が学んだ小学校、中学校、高校の建物も綺麗に整備されて現役で使われていました。兄弟3人、幼かりし昔を思い出し、胸を熱くして見て廻りました。
台北の町並みは、東西南北に碁盤の目のように新しく広い道路が走り、それが、榕樹や檳榔樹や相思樹の並木の緑に彩られていて、南国の自然の豊かさを感じさせてくれました。
その土地柄のせいでしょうか、皆さん暖かい人柄で、親切に接してくれました。日本人にとっては、台湾は、親しさ・懐かしさを感じさせてくれる他には例のない隣国でしょう。
物価も安く、特に食の豊かな事、おいしい事、ホテルも一流ホテルで日本の半値と言ってよいでしょう。温泉もあり、海水浴場も、ゴルフ場もあり、リゾートとして申し分ありません。生まれ故郷のため、ついついお国自慢になってしまいましたが、治安も日本より良い位ですから、安心して楽しめる旅行先として、お勧めしたいと思います。
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