災害に関してはさまざまな税法の取り扱いがありますが、今回の大災害についてはまだその特別法が作られておりません。(阪神淡路大震災の時は「阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」が作られています) 
              現行の税法・通達で災害に関する取り扱いについてそのいくつかについて簡記します。 
              1.申告期限の延長(通則法11条) 
              東日本大震災で大きな被害を受けた宮城、福島、岩手、青森、茨城県内の納税者については申告・納付の期限延長の措置が講じられました。(いつまで延長するのかについては、今後、被災者の状況に十分配慮して検討していくとなっており、現時点でまだ定められておりません。) 
              その他の地域の納税者でも、この大震災の影響で申告が困難な場合は所轄の税務署に申請すれば期限延長が認められます。 
              2.滅失、損壊した事業用資産(法法22条、所法27条、51条) 
               
              (1)滅失・損壊した資産の損失の額が損金(費用) 
               
              (2)損壊した資産の取壊費用 
               
              (3)その他障害物の除去費用 
              3.復旧のための費用(法基通7−7−6、所基通37−11,12の2、37―14の2) 
               
              (1)現状回復のための費用−修繕費 
               
              (2)被災した資産について「復旧」のため支出した額のうち、修繕費か資本的支出か明らか 
               
              でない場合はその金額の30%相当額を修繕費、70%を資本的支出として経理することが 
               
              できる 
              4.災害見舞金・義援金 
               
              (1)従業員に支給する災害見舞金―福利厚生費(措通61−4) 
               
              (2)取引先に対する災害見舞金―全額損金処理(交際費等に該当しない) (措通61−4) 
               
              (3)同業者団体に拠出した災害見舞金・分担金―全額損金処理(法基通9−7−15、所基通 
                
              37−9) 
               
              (4)自社製品の提供―広告宣伝費等に準ずるものとして全額損金処理(法基通9−4−6) 
               
              (5)災害見舞金を受けた個人―社会通念上相当と認められるものは非課税(所基通9−23) 
               
              (6)法人が拠出した義援金―国、地方、赤十字、中央募金会等に拠出した義援金は全額損 
                
              金 
               
              (7)個人が拠出した義援金―国、地方、赤十字、中央募金会等に拠出した義援金は特定寄 
                
              付金として寄付金控除の対象  
                   
              (*注意・以上の経理処理を行う場合は再度税法、通達等を参照してください) 
             
               |