前代表社員長崎真人自分史
目次へ 前のページへ 次のページへ
第三部】第九話 弾圧に抗し青年新聞を守る(810)
 
 私は、ひたすら与えられた任務を完遂するのに夢中だった。
 新聞の編集については、何も知らなかったのだが、何冊かの参考書を買って勉強した。見出しの付け方、その配置の仕方で、読者の眼をひきつける技術的な方策等も初めて知った。
 あるいはレーニンの文献の中から、革命運動における機関紙の役割を説いたものを拾い出し、機関紙中心の活動の意義について、自分自身を納得させもした。
 
 最初のうちは、「あかつき」や「機関紙印刷所」等の大きなところが印刷を引き受けてくれ、それらの印刷工場のベテランの職人さんたちが親切に教えてくれて、文選から始まって、棒ゲラで校正し、大組みに立ち会って見出しの配置を決め、鉛版・印刷に至る全工程を、短期間で身につける事ができた。