○「事例を中心とした租税法 通達の解釈を考える」と題して講演をする山本守之税理士
租税の賦課、徴収は必ず法律の根拠に基づいて行われなければなりません(租税法律主義)。
しかしながら、現在の税の実態では、法律でもない「通達」が幅を利かし、通達で課税要件を規定するのが当然とする考えがありますが、これは先の「租税法律主義」の立場からは全く相いれないものです。
租税法律主義に係る事件では「武富士事件」があります。この事件は租税回避行為により多額な贈与税を免れたものですが、このような行為に課税ができないことに対して違和感を感じえませんが、最高裁はその判決の中で、「租税は国民に義務を課するものであるところから、租税法律主義の下で課税要件は明確なもので、これを規定する厳格な解釈が要求される。…略…立法によって解決を図る」としています。通達により課税庁が課税要件を一方的に決める現行の通達至上主義には、疑問を持たざるを得ません。
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